死出への逃避行
インディアンは詩を口ずさむ
「デッドマン」
1995年5月26日 フランス公開
1995年12月23日 日本公開
全編モノクロ映像。音楽はニール・ヤングの即興弾き下ろし。監督はジム・ジャームッシュで、ちょっと意識高い系でイケすかねぇ感じがします・・・が、
逃亡劇の行先が気になって、ついつい引き込まれてしまいます。
主人公は会計士。
仕事の口があると聞き、列車ではるばる西部へとやって来るも追い返され、カップルのごたごたに巻き込まれ、胸に弾丸を打ち込まれ、賞金首になってしまうというツイていない男だ。
そんな彼をはぐれモノのインディアンが見つける。
「お前はオレが最も尊敬するウィリアム・ブレイクと同じ名前だな? もしかしてそうなのか? おお、神よ!」
ウィリアム・ブレイク(18世紀の実在の詩人)の詩によって救われたインディアンは、その恩返しと言わんばかりに瀕死の主人公の前で喜ぶ。
何か勘違いをしている・・・と主人公は何度も言うのだが、どこにも行く当てがないし、知り合いも居ない。
朦朧としつつもこの初めて会った陽気なインディアンに付いて行くことに。
向かう先は " 水の鏡 "
生還への希望? ・・・それとも
死出への変貌なのか?
主人公は次第に自分を詩人ウィリアム・ブレイクと混同するようになっていく・・・
※ ウィリアム・ブレイクとは?(wikiリンク)
見ているこちらの生死観、死に際なんかを考えてしまいました。
「あぁ・・・死ぬには・・・良い日だ」
と思えたらなら、それはそれは幸せな死なんだろうなぁ。
死ぬ瞬間、最後に目に映るものは何なのだろうか?
できれば、無念・憐憫・後悔が沸き起こる中では逝きたくないなぁ・・・
飛行機雲一つ見えない
澄んだ荒野を目指して・・・
「イントゥ・ザ・ワイルド」
2007年9月21日 アメリカ公開
2008年9月6日 日本公開
1996年に出版されたノンフィクション「荒野へ」が原作。
実話であります。
裕福な家庭で育ち、大学を卒業した主人公は
お金や身分証明書類を捨て、身一つで生きていく世界へと旅立つ。
・・・誰にも告げずに。
様々な人たちと出会い別れ、たどり着いたのはアラスカの荒野。
そこで見つけた” 不思議な(廃棄)バス ”を根城に、
自然の厳しさと、人間の温かさを噛みしめるのであるが・・・
この不思議なバスの中で見つかった彼の日記を元に原作は出来ているのだけど、無謀とも見える彼の行動を
自己責任・自業自得
なんて嘲笑う人もいるでしょうが、いぬボーロはグッときました。
自然の中で生きる・・・のが素晴らしいのではなくて、
「究極の自由 極限の生き方」
を、追い求めた・・・という姿勢が憧れちゃいます。
便利さと安全性を追い求めた文明都市に馴れた我々は、
物質の見栄を気にするようになり、
少しの危険性でも目くじらを立て、排他的になってきている。
妙~に息苦しいと感じられませんか?
そんな時は " 旅 " に出るのが一番ですな!
まぁ、主人公みたいにお金も車も捨てて・・・とはいきませんが・・・。
「荒野のワナに落ちた」
主人公が最後に見たのは
飛行機雲一つない、アラスカの空だったのかなぁ・・・
では、また
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