喰って喰って喰いまくる、怒涛のモンスターパニック!
90分で3000人!!
「ザ・グリード」
1998年1月30日 アメリカ公開
1998年10月17日 日本公開
黒い夜の海原に煌々と光を放つ豪華客船。
船倉三階分を吹き抜けたフロアーではお金持ちが乱痴気騒ぎ。
「・・浮かれやがって・・いけすかねぇ・・」
視聴者の醜い嫉妬の念が届いたのか?期待に応えるべく
我らがグリードちゃん、船底に猛突進!
ドガガガァ――――ん!!
阿鼻叫喚地獄絵図
突然の衝撃に逃げ惑う金持ち連中は大パニック。
ハイッ 大・成・功!!
ウヒヒ、ざまぁねぇぜ・・・と思っていたらそこに招かざる客が登場する。
目的は判らぬが謎の武装テロリスト集団が、わざわざ、
夜の海を渡ってこの豪華客船を制圧しにやって来たのだ。
ネイティブアメリカン俳優演じるテロリストリーダーも強面な表情が唖然に変わる。
「・・・何故、誰もいねぇんだっ!」
なぁ~んか・・・やべぇ・・ぞ
突然・・・化物が・・・
俺たちは逃げるぜ・・・・
緻密に練って来た計画が予想外の出来事で狂ってしまい、
焦りと怒りと、恐怖が入交りどおにもやりきれないテロリーダーのハノーバーさん。
悪者だけど、少し同情の余地あり・・・。
もしかしたら、
下がり眉毛でイキリ厨のフィネガンと、減らず口でお調子者のバントゥッチらの密航船(運び屋)を選んだ時点ですでに計画が破綻していたのかもしれませんねぇ。
え?なんだって? うしろ?
バァァッ
唯一、活躍期待度が高く持てたのが紅一点のトリリアンさん。
なぜなら彼女のシチュエーションがどこかあの
アクション映画のあの人に似ているからなのです。
トリリアンさん、セレブの宴に紛れてはいるが実はコソ泥。
案の定犯行が見つかってしまい監禁されてしまう。
その間にグリードちゃんが大暴れw
何も知らずロックを外し表へ出ると銃を持ったテロリストが!
赤いドレスを白いタンクトップに着替え、
銃を持ち、いざっ・・参る!!
いよッ!! ダイ ハ――ド!!
「・・・え?・・・オレ?・・・」
彼女の敵は目下のテロリスト?
正体不明な深海からの物体X?
・・・それとも・・・オ・ヤ・ジ?
この映画の監督はスティーヴン・ソマーズさん。
「ザ・グリード」の一年後には「ハムナプトラ」が大ヒットし、一流監督の仲間入りを果たします。
この人、脚本も手掛けたりもするのだが
基本的に・・・優しいお人なんだろうなぁ~とうかがえれる。
ハラハラドキドキするギリギリなアクションや、
残酷描写、お色気など、
派手に見えているが、実はそんなに攻めたドギツい感じにはしておらず、監督の持つ本質(優しさ?マイルド感?)がどおしても映像からにじみ出てるように見えちゃうのだ。
ほ、ほんまにぃ?
メインのフィネガン、バントゥッチ、トリリアン、ハノーバー四人以外のサブキャラ達にも少なからず個性が見えるセリフ回しを与えてますし、
暴力をサディスティックに強調することが無い所もなんとなく
お人柄が見えちゃいます(笑)
そお考えると、お調子者バントゥッチがなんか監督さんの本質に近いのかな?なんて思えますし、
主人公フィネガンの主人公としての魅力がイマイチなのも頷けれる所ですなw
・・・・しかしながら、
監督の優しさに包まれた殺戮モンスターパニック映画の、そつなく最後まで魅せる演出の腕前は確かにあると思いますよ。
個人的には、トリリアンさんのずぶ濡れ体のライン強調シーンとかのサービスくらいあっても良かったんじゃないの?
って、そこが不満ですかね。
(ギリ、ブラチラあり)
トリリアンを演じるファムケ・ヤンセンさんはのちに、
「X-MEN」でミュータント:ジーン・グレイを演じるのである。
う~~む
やっぱ白いタンクトップって
ある意味戦闘服なんやなぁ~~
ちなみに、
この「ザ・グリード」は絶賛廃盤中で購入できません。
中古値段が何故か高騰しており、頼みのレンタルも置いてある店舗がかなり少ないとか?
衛星・地上波で放映されたら録画して観ておくことをおススメします。
※ 2019年11月 現在の情報です
では、また
なんぼでも、未来からやってくるよ!!
「ターミネーター : ニューフェイト」
2019年11月1日 アメリカ公開
2019年11月8日 日本公開
シュワちゃんがプリケツで登場してからはや35年。
通算6作目にあたる「ターミネーター : ニューフェイト」が公開されました。
”オリジナルキャスト、オリジナル監督が集結!”
”「パート2」の正当な続編だ!”
なんとも「パート3」「パート4」「新起動/ジェネシス」を暗に否定するかのような煽り文句に、「パート2」ファンからしたら
「・・・し、信じて・・いいんだよな?・・・・」
否応なしに期待値が挙がりまくります!
一応ターミネーターを一度も見たことが無いっていう人に解りやすく三行で説明すると
”シュワちゃんが裸で未来からやってくる”
”シュワちゃんはロボットだ”
”必ず戻って来る・・・いや、戻って来過ぎなのかも~しれません”
過去へのタイムスリップで未来を変えるというSF要素に、
執拗に追いかけて来るストーカーの恐怖、
なかなか死なない不死身のロボットとの熱きバトル。
これらが見事に融合出来たのが名作
「ターミネーター2」
これ以降は、なんやかやありつつ続編が作られはしましたがどれも話題性が先行しすぎて、内容が伴っていなかったのが現実でした。
そおした経緯の中で今回は生みの親ジェームズ・キャメロン監督の現場復帰です。
そりゃあ、期待するなというのが無理な話でしょう。
・・・しかし、キャメロン監督は製作指揮での参加で脚本にはクレジットされていない。
ん~~?
なんか不穏な予感がします・・・・
「ターミネーター / ニューフェイト」を見た結果!!
~~未見で内容を知りたくない方はこれからは読まないでください~~
映画のピークは二回!
未来から来た強化人間(メインのオネェちゃん)と
サラ・コナー(1、2のメイン、今回は最強おばちゃん)とが初めて出会う所と、
サラ・コナーが倒したはずのT-800(シュワちゃん)と再会するところの二か所。
そこのみが良かった。
それ以外は、
延々とCG技術見せつけドタバタアクションの連続で、ドラマもSFも観ている途中から気づくほどのおざなり感が余りにも悲しい。
やっぱあれかな?
CGに時間とお金を掛け過ぎて細かい実写パートの撮影まで手が回らなかったんとちゃうか?
中盤のシュワちゃんの身の上話のシーンなんてモロ説明会話のみだったし、
強化人間の策といえば逃げの一手しかなかったし、
メイン四人以外のキャラ達の魅力無さ加減がより、内容を薄く感じさせてしまっているし、
バトルもなんか、トムクルーズやバットマンとかで観たことあるようなシーンばかりであまり新鮮味が無かった。
・・・まぁ、正式な続編と言われればそれでもいいんですけど、
作品としては、エンドロール中にまでワクワクジーンが引きズらない程度の面白さ・・・だったなぁ~
ここからは考察です。
原作・監督のジェームズ・キャメロンはいま、自身のライフワークとして「アバター」の続編を作ろうとやっきになっています。
なんせ、三部作ならぬ全五部作になるほどの構想を持っているらしいのだ。
製作費がいくらあっても足りないので配給会社もなかなかGOを出せていないのが現状みたいだ。
つまり、彼の妄想力・想像力は尋常ならぬくらい溢れているのにもかかわらず、今回のターミネーターではそのアイデアが存分に生かされているとは到底思えないのである。
キャメロンさんの提案が通らないほどのカツカツ製作だったのか?
キャメロンさんが製作に加わるという条件で、リンダ・ハミルトンとシュワちゃんの出演をこぎつけたのか?
今回の監督ティム・ミラー、脚本の三人がちょっと力不足だったのか?
・・・まぁ、
監督、脚本、製作、編集を手掛けた「アバター」(2009)を観てると、意外性の少ない落ち着いた解りやすい展開になってしまっているのでもしかすると、
CGに時間と金が掛かりすぎて、
その他に悪影響が出てしまう説
がどおやら濃厚とちゃいますかねぇ?
改めて、CG使いまくりでも脚本を練りに練っている
マーベル作品の凄さが浮き彫りになっちゃったと言えよう。
アバターの続編?
いや・・・、ね。 そんなには期待値を挙げないでおきましょう。
それがジェームズ・キャメロン監督の為でもありますから(笑)
では、また
ででんでんででん ででんでんででん
天気に生まれ、天気に愛され、天気を統べる少女・・・
それが・・・ボコン・・・ボコン・・・・
「天気の子」
2019年7月19日 日本公開
三年前、予想以上の大ヒットを叩きだした長編アニメ
「君の名は。」
その監督の待ちに待った新作がこれであります。
「君の名は。」を観ている人は期待していたであろうが、
スポンサー企業の期待度も尋常じゃ無いくらいに高かった。
サントリー、増進会(Z会)、ソフトバンク、ディップ(バイトル)、日清食品、ミサワホーム、ロッテ・・・と、
7社とのコラボCMが製作されるという事態には驚かされました。
(劇中コラボでは、ユニクロとか学研月刊誌ムーとか、多数あり)
これだけ大企業の後押しがあり、お金も用意でき、こりゃあ・・・前作と同等、いや・・・、それ以上の物が出来上がるに違いないッ!!
家出をしてきた少年と、天気を晴れにする能力を持つ少女が、異常気象に包まれようとしている東京で出会うボーイミーツガールストーリー。
天候を祈るだけで快晴にしてしまうという最大の謎を、”大人はわかってくれない”という大人VS子供の構図から紐解く予定だったのかな?
一番理解ある大人(親)から離れ、
頼れる大人も居ない社会で生きようとする少年少女は、
「晴れ女伺います」
という商売を始め、仕事をすることで社会に(大人に)信頼を持てるようになっていく。
POPでSFでファンタジーでセンチメンタルで
圧縮・・・解放!! 出来た「君の名は。」とは違い、
今回の「天気の子」は上手く圧縮出来てないように思えました。
ラスト前に、立花のばぁちゃんと須賀さんが言うセリフが実は監督のメインテーマなんだろうな?と思えたくらい、言わした感丸出しだったし、そこに至るまでにそのセリフが出てきそうなエピソードやシーンがあったのかもしれないが、印象にあまり残って無いのが事実だ。
そこんとこ、どうなのよ?新海監督~
・・・・あ、
もしかして、気ぃ使っちゃった?忖度しちゃった?
コラボCM7本もやっちゃうとそりゃあ、どこかの企業だけ無下にするような演出とか出来ませんよねぇ・・・・。
「家族愛」「恋愛」を入れてくださいという配給会社のお願いも「イヤッ」と断れるシン・ゴジ庵野のような強気が新海監督にはあまり見受けられないような・・・
優しすぎるお人よ・・・
カタルシスの爆発はあまり起きませんでした。
いや、起こそうとするネタはあちこちに仕込まれてはいたのですが、上手く連鎖反応しなかったというのが正しいのかも。
個人的には、
天候の謎をもう少し明かして欲しかったかな~
ファンタジーをより広げる事によって、
クライマックス後の現実に重みが出て来るんじゃないかのかなぁ~
と素人目線で申して見ました。
皆さんはどう感じましたでしょう。
では、また